「以前より眠りが浅くなった気がする」
「気分の波や、暮らしの感じ方が気になる」
「毎日忙しくて、自分のことまで気が回らない」
40代、50代を迎える頃には、これまでとは違う心や体の変化を感じる方もいます。
そんな時期に、暮らしの中へ香りを取り入れてみたいと考える方もいるのではないでしょうか。
一方で、
「更年期には、どの精油を選べばいいの?」
「アロマについて、研究ではどこまで分かっているの?」
「体調に変化がある時期でも安全に使える?」
と迷うこともあると思います。
この記事では、2025年に発表された更年期とアロマセラピーに関する研究をもとに、現在分かっていることと、まだ十分に分かっていないことをご紹介します。
アロマは診断や治療をするものではありません。「更年期にはこの精油」と正解を決めるのではなく、香りを自分に目を向けるきっかけのひとつとして、安全に楽しむ方法を一緒に考えてみましょう。

更年期の時期に感じやすい心と体の変化
更年期は、一般的に閉経の前後を含む時期を指します。この頃には、女性ホルモンの変化などを背景として、暮らしの感じ方、眠り、気分、疲れやすさなど、さまざまな変化を感じる場合があります。ただし、感じ方や程度は一人ひとり異なります。
眠りや気分、暑さの感じ方に変化が現れることも
更年期の変化は、誰にでも同じ形で現れるわけではありません。
「夜中に目が覚めやすくなった」
「以前より気持ちが揺れやすい」
「急に暑く感じることがある」
など、変化の種類も程度もさまざまです。
それが更年期によるものなのか、疲れや生活環境、ほかの体調変化によるものなのかを、自分だけで判断するのが難しいこともあります。
忙しさの中で、自分の変化を後回しにしやすい女性へ
仕事や家事、子育て、家族のケアなどを優先していると、自分の変化には気づいていても、つい後回しにしてしまいがちです。
香りを取り入れる時間は、体調の原因を判断するものではありません。けれども、「今日はどんな香りを心地よく感じるだろう」「今は少し静かに過ごしたいのかもしれない」と、自分の感覚へ目を向けるきっかけにはなります。
更年期とアロマについて、研究では何が報告されている?
今回参考にしたのは、2025年に『Journal of Caring Sciences』で発表された、更年期症状に対するアロマセラピーの研究をまとめたシステマティックレビューとメタ分析です。
2025年のシステマティックレビューの概要
この研究では、PubMed、Web of Science、Scopus、Cochrane Libraryなどのデータベースを検索し、最終的に15件、合計1,217人を含む研究がレビューされました。そのうち13件のランダム化比較試験が、メタ分析の対象になっています。
対象となった研究では、精油の吸入やアロママッサージなど、異なる方法が使われていました。また、使用された精油の種類、量、使用期間、評価方法も研究ごとに異なります。そのため、研究全体の結果を、そのまま特定の精油や家庭での使い方へ当てはめることはできません。
身体面・心理面・睡眠について報告されたこと
このレビューでは、身体的な変化、心理面、睡眠の質など、複数の評価項目で、対照群との差が報告されています。
ただし、これは「アロマを使えば誰でも同じように変化する」という意味ではありません。研究で使われた条件がそれぞれ異なるうえ、結果の確かさにも項目ごとの差があります。研究者も、一部の結果については質の高い証拠が十分ではなく、今後さらに研究が必要だとしています。
研究結果の確かさには違いがあります
今回のレビューでは、結果ごとにエビデンスの確実性が評価されています。身体的症状に関する評価は中程度でしたが、睡眠については低く、心理的症状、全体的な症状、性的機能については非常に低いとされています。
つまり、研究上は差が見られた項目があっても、現時点で確かな結論として広く当てはめられるわけではありません。
まだ十分に分かっていないこと
研究を読んでも、次のような点は明確になっていません。
- どの精油が最も適しているのか
- 吸入とマッサージで違いがあるのか
- どのくらいの量や期間が適切なのか
- 長期間取り入れた場合はどうなのか
- すべての女性に同じ傾向があるのか
- 香りそのものと、マッサージや休息時間の影響をどこまで分けられるのか
また、一部の評価項目では、肯定的な結果が公表されやすい「出版バイアス」の可能性も指摘されています。この研究は、香りを取り入れる可能性を考える材料にはなりますが、個人への結果を保証するものではありません。
香りを取り入れる時間を、自分に目を向けるきっかけに
アロマリでは、香りを「今の状態を診断するもの」や「不調への答え」としては扱いません。
香りを感じた時に、「これは好き」「今日は少し強く感じる」「今は軽やかな香りの方が心地よい」と感じる、その人自身の感覚を大切にしています。
香りは「更年期の正解」を教えるものではありません
インターネットでは「更年期にはこの精油」と紹介されていることがあります。けれども、同じ香りでも、心地よいと感じる人もいれば、苦手に感じる人もいます。体調や気分、その日の環境によって、香りの感じ方が変わることもあります。
精油の一般的な特徴だけで決めるのではなく、実際に香りを試しながら、自分がどう感じるかを確認することが大切です。
今の自分が心地よいと感じるかを確かめる
香りを選ぶ時は、難しく考えすぎなくても構いません。まずは、次のような感覚を確かめてみてください。
- 好きだと感じるか
- 強すぎないか
- 長く嗅いでいても負担を感じないか
- 朝、昼、夜のどの時間に楽しみたいか
- 一人で使うのか、家族と過ごす空間で使うのか
評判のよい香りや、目的に合うと紹介されている香りでも、自分が心地よく感じなければ無理に使う必要はありません。
香りを感じながら、呼吸を意識する時間
香りを感じる時に、一度手を止めて、ゆっくりと呼吸を意識してみるのもひとつの方法です。香りが呼吸を深くする、と断定することはできません。けれども、香りを楽しむことを合図にして、忙しい時間から少し離れ、自分の呼吸や感覚へ意識を向けることはできます。

更年期の時期に楽しむ香りの選び方
更年期だからといって、特定の精油を必ず選ぶ必要はありません。「どんな状態にしたいか」だけでなく、「どんな時間を過ごしたいか」から考えてみましょう。
効能だけで精油を選ばない
精油を選ぶ時に、成分や一般的な特徴を知ることは大切です。一方で、「この悩みにはこの精油」と効能だけで選ぶと、香りそのものを心地よく感じられない場合があります。
まずは、実際に香りを嗅いでみること。そのうえで、安全性や使用する場面を確認し、自分の暮らしに取り入れられるかを考えます。
過ごしたい時間から考えてみる
例えば、こんな選び方があります。
- 朝の始まりを切り替える香り
- 仕事や家事の合間にひと息つくための香り
- 夜の静かな時間に楽しむ香り
- 自分だけの時間を意識するための香り
- 家族と過ごす部屋で穏やかに楽しめる香り
「更年期のための香り」と狭く考えるより、暮らしのどの場面に香りがあると心地よいかを考える方が、無理なく続けやすくなります。
香りの好みが変わっても大丈夫
以前は好きだった香りを強く感じたり、反対に、これまで選ばなかった香りを心地よく感じたりすることもあります。好みが変わることを、悪い変化と捉える必要はありません。今の自分が心地よいと感じるかを、その都度確かめてみてください。
実際に香りを試して選ぶ
精油の名前や説明だけでは、実際の香り方までは分かりません。同じ植物名でも、産地や製造時期、メーカーなどによって、香りの印象が異なる場合があります。アロマリでは、精油を一滴ずつ試しながら、自分が心地よく感じる香りを探していただけます。
暮らしの中で無理なく香りを楽しむ方法
香りは、長時間広げ続ける必要はありません。初めて取り入れる場合や、体調が揺らぎやすい時期は、少量・短時間から始めましょう。
アロマストーンで短時間から試す
アロマストーンは、精油を少量垂らし、自分の近くで穏やかに香りを楽しめる方法です。部屋全体へ広げすぎにくいため、まず香りを試したい時にも使いやすいでしょう。
精油の量は多ければよいわけではありません。一滴から始め、強く感じた場合は距離を取ったり、換気したりしてください。
自分の近くだけで楽しむ
家族やペットと暮らしている場合は、部屋全体へ香りを広げる前に、同じ空間にいる人への配慮が必要です。自分の近くだけで楽しむ方法なら、香りが苦手な家族がいる場合にも調整しやすくなります。
夜の過ごし方を切り替える合図として
夜に香りを使う場合は、「眠れる香り」と考えるのではなく、就寝前の過ごし方を切り替える合図として楽しむ方法があります。照明を少し落とす、スマートフォンから離れる、温かい飲み物を用意するといった習慣と組み合わせてもよいでしょう。
香りを使うこと自体が負担に感じる日は、無理に続ける必要はありません。
アロマは医療の代わりではありません
アロマは、医療や処方された薬の代わりになるものではありません。研究で一定の傾向が報告されていても、その結果が個人に当てはまるとは限りません。
つらい変化を、香りだけで抱え込まないでください
眠れない日が続く、気分の落ち込みが強い、日常生活に大きく影響している、急な体調変化があるといった場合は、香りだけで対応しようとせず、医療機関へ相談してください。更年期だと思っていた変化に、別の原因が隠れている可能性もあります。
治療中・服薬中は自己判断で置き換えない
治療中の方や薬を服用している方は、処方内容を自己判断で変更したり、中止したりしないでください。精油を肌へ使用したい場合や、体調面に不安がある場合は、必要に応じて医師や薬剤師などへ確認しましょう。
更年期の時期に安全に香りを取り入れるために
精油は植物から得られる天然のものですが、「天然だから誰にでも安全」というわけではありません。体調や使用方法によっては、刺激や不快感を感じることがあります。
最初は少量・短時間から
初めて使う精油は、一滴程度から香りを確認します。強すぎると感じた時は、我慢して続けずに使用を中止し、換気してください。
原液を直接肌につけない
精油は非常に濃縮されています。原液をそのまま肌へ塗ることは避け、皮膚へ使用する場合は、精油ごとの注意点を確認したうえで適切に希釈する必要があります。今回紹介した研究にはアロママッサージも含まれていますが、研究で行われた方法を家庭でそのまま再現することはおすすめしません。
持病・服薬などがある場合
持病がある方、薬を服用している方、妊娠の可能性がある方などは、使用方法や精油の種類について個別の確認が必要な場合があります。記事だけで一律に安全と判断せず、気になる点がある場合は専門家や医療従事者へ相談してください。
家族やペットと暮らしている場合
本人が好きな香りでも、家族やペットにとって心地よいとは限りません。香りを広げる際は、部屋を閉め切らず、自由に別の場所へ移動できるようにしましょう。
不快感を感じたら使用を中止する
頭痛、吐き気、咳、息苦しさ、皮膚の違和感などを感じた場合は、使用を中止してください。「体によいはずだから」と我慢して使い続ける必要はありません。
アロマリでは、実際に香りを試しながら一緒に考えます
アロマリでは、「更年期にはこの精油」と決めつけることはありません。香りの好み、使いたい時間、家族構成、暮らし方などを伺いながら、今の自分が心地よいと感じる香りを一緒に探します。精油を一滴ずつ試せるため、説明だけでは分からない香りの違いも、実際に感じていただけます。
まとめ|香りを、自分に目を向ける時間のひとつに
更年期とアロマに関する2025年の研究では、身体面、心理面、睡眠などの評価項目で一定の傾向が報告されています。一方で、研究の確かさには項目ごとの差があり、使用された精油や方法も統一されていません。すべての女性に同じ結果が得られることを示すものではなく、さらに研究が必要とされています。
香りは医療の代わりではありません。けれども、忙しい毎日の中で少し手を止め、今の自分が何を心地よいと感じるかに目を向ける時間として、暮らしへ取り入れることはできます。
「正しい香り」を探すのではなく、実際に試しながら、今の自分に無理なく寄り添う香りを見つけてみてください。
今の自分が心地よいと感じる香りを、実際に試してみませんか?
アロマリでは、香りの好みや過ごし方を伺いながら、今の暮らしに取り入れやすい香りを一緒に考えます。店舗では、さまざまな精油を一滴ずつ試しながら、オリジナルブレンドをご提案しています。
来店前に確認したいことがある方は、LINEからご相談ください。LINEでは、香りの楽しみ方やサービスについて、一般的なご案内をしています。診断、治療判断、個別の詳細な精油選定は行っていません。
返信目安:2営業日以内
参考文献:Journal of Caring Sciences掲載のシステマティックレビュー・メタ分析(2025年)より



