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手作り化粧水は何日使える?保存と衛生で知っておきたいこと

手作り化粧水は何日使える?保存と衛生で知っておきたいこと

手作り化粧水のボトルと清潔な調製道具
もくじ

手作り化粧水は何日使える?保存と衛生で知っておきたいこと

ワークショップで作った化粧水、洗面台に置いたまま気がつけばひと月。
ふたを開けても見た目はそのまま、においも変わっていない。
だったらまだ使えるのかな……と思ったこと、ありませんか?

正直、私はよくあります。

変なもの浮いてなかったら・・とか
使ってみてピリピリしなかったら・・とか
独自の理論で動いていました。。

実際のところ、手作り化粧水は何日使えるんだろう。
アロマリのアロマクラフトの時間でも、いちばんよく出てくる質問です。
今回はそこを、あらためて整理してみます。

きっかけ

きっかけになったのは、ある和精油の作り手さんの発信でした。

手作りコスメは見た目やにおいが変わらないまま中身が変わっていくこと、
水分を含むもの・防腐剤を入れていないものはとくに気をつけたいこと。

そして「少量で、冷蔵で、清潔に、早めに使い切る」という考え方が紹介されていました。

ここから先は、アロマリなりに整理し直してお伝えします。

そもそもどんな素材なのか

まず、ここから出てくる前提を整えておこうと思います。
手作りコスメの話では、似ているけれど別のものが同時に出てきます。

  • 精油(エッセンシャルオイル):植物から香りの成分だけを取り出して濃くした素材です。植物そのものではありません。ごく少量で香りが立つ代わりに、そのまま肌につける前提の素材でもありません。
  • 芳香蒸留水:水蒸気蒸留のときに分かれる水の層です。香りは精油と比較して少なく、成分の濃さも精油とはまったく違います。化粧水のベースに使われることが多くあります。
  • 植物油(キャリアオイル):種やナッツから搾った油です。精油の濃度を薄めるために使います。
  • 植物エキス:水やアルコールなどで植物の成分を引き出したもので、精油とは成分の構成が違います。

この4つは、同じ植物から採れたものであっても中身が違います。
「植物からできているから、だいたい同じようなもの」とまとめてしまうと、保存のしかたも、肌への向き合い方も見えにくくなってしまいます。

もうひとつ、外せないのがです。
水分があるところでは、微生物が育つ土台ができます。
市販の化粧品に防腐剤が入っているのは、この部分を管理するため。
手作りのものには、そのしくみが基本的にありません。

ここが市販品との一番大きな違いです。

清潔な容器と道具を使って手作り化粧水を調製する様子

分かっていること

元記事では、日本アロマ環境協会(AEAJ)の冊子に載っていたという実験データが紹介されていました。

常温で保存しながら1日1回使い、30日間追跡したところ、外観やにおいは30日目でもほとんど変わらなかったのに対して、
一般細菌数は7日目あたりから増え始め、2週間を過ぎたところで大きく増えていた、という内容です。

冷蔵で保存したものは、ひと月経っても細菌数がかなり抑えられていた、という比較も示されていたと書かれています。

ここから言えるのは、見た目とにおいは、中身の状態を教えてくれる目印にならないことがあるということ。
「変わっていないから大丈夫」という判断のしかたには、根拠が足りないんですね。

精油の濃度についても、元記事では顔に使うものは0.5%以下、体に使うものは1%以下という目安が示されていました。
これは日本で広く普及している日本アロマテラピー環境協会の考え方と一致します。

 

どんな調べ方だったのか

元記事で紹介されていたデータについて、確認できた範囲を正直に書きますね。

分かるのは、下記です。

  • 常温と冷蔵を比べていること
  • 30日間追跡していること
  • 1日1回使うという条件が入っていること
  • 外観・におい・一般細菌数を見ていること

一方で、次のことは元記事からは分かりません

  • どんな処方の手作りコスメだったのか(水だけか、芳香蒸留水か、油分やアルコールが入っていたか)。
  • 容器は何だったのか。
  • 手の触れ方や取り出し方はどう管理されていたのか。
  • 試験の回数はどれだけか。
  • 判定の基準はどこに置かれていたのか。

つまりこのデータは、「常温で置いておくと細菌数が増えていく傾向がある」という向きを示すものとして読むのがちょうどいいところで、「何日目で何個になる」という数字をそのまま自分の台所に当てはめられるものではありません。

まだ分かっていないこと

まず、自分が作ったものが今どういう状態なのかは、家庭では測れません。
細菌数を数える設備は、普通ありませんよね。

だから「2週間」という区切りは、測って確かめた結果ではなく、測れないまま安全側に寄せるための目安なんです。

つぎに、精油の濃度と肌の反応の関係も、ひとつの数字で言い切れるものではありません。
0.5%や1%という目安は、多くの人にとって扱いやすい範囲として共有されているものですが、その濃度なら誰にも何も起きないという意味ではありません。

精油の種類、使う部位、その日の肌の状態、体調、これまでの使用歴によって、感じ方は変わります。

そして、手作りだから体にやさしい、市販品だから肌に負担があるという単純な対比も成り立ちません。
手作りには「何が入っているか分かる」という良さがありますが、同時に「保存の管理を自分で引き受ける」という条件がついてきます。

どちらが上という話ではなく、性質が違うんですね。

日本の暮らしに置き換えて考える

日本の暮らしに置き換えて考えてみましょう。

日本の夏は、気温だけでなく湿度が高くなります。
洗面所や浴室の棚は、暖かくて湿りやすい場所。
作ったものを「使う場所の近く」に置いておきたい気持ちはとてもよく分かるのですが、環境としては置き場所に向いていないんです。

現実的な落としどころとして、アロマリではこんな整え方をおすすめしています。

  • 一度に作る量を減らす:使い切れる量だけ作れば、保存期間の悩みそのものが小さくなります。50mlより30ml、30mlより20ml。
  • 作った日を容器に書く:これがいちばん確実です。マスキングテープに日付を書いて貼るだけで、「いつだったかな」がなくなります。
  • 冷蔵庫に置く場所を決めておく:ドアポケットの一角など。冬場に冷たいと感じるときは、手のひらで少し温めてから使う方法があります。
  • 手を洗ってから触る、直接指を入れない:スプレー容器やポンプなら、中身に触れる回数が減ります。

冷蔵保存はめんどうだなあ、と感じる方も多いと思います。
もちろん私も、使いたいときに冷蔵庫に取りにいかないといけない煩わしさはあります。
それでも、「作る量を減らす」と「日付を書く」の2つだけでも、迷う場面はかなり減りますよ。

冷蔵庫で清潔に保存された手作り化粧水のボトル

使うときに気をつけたいこと

精油を肌に使うものに入れる場合について、あらためて整理します。
ここは大事なところなので、しっかり書かせてください。

精油は、植物の香りの成分が濃く集まった素材です。
少量でも作用が強く出ることがあり、原液のまま肌につけるものではありません。
植物由来であることは、肌にやさしいことと同じ意味ではありません。

肌に使うときは、精油の種類、濃度、使う部位、その日の肌の状態、そして個人差によって向き不向きが変わります。
顔は体よりも薄くて敏感な部分なので、濃度をより控えめにする考え方が共有されています。

柑橘系の精油のなかには、肌についた状態で日光に当たると反応が起きやすいもの(光毒性)があります。
日中に使うものへ入れる場合は、精油の選び方から見直してください。また、同じ精油を長く使い続けることで反応が出てくること(感作)もあります。

妊娠中・授乳中の方、乳幼児、高齢の方、持病がある方、薬を使っている方、アレルギーのある方は、使う前に個別に確認してください。
一般的な目安が、そのまま当てはまらない場合があります。

作ったものを使っていて、かゆみ、赤み、ひりつきなどが出たときは、使うのをやめて洗い流してください。
香りは診断や治療の代わりにはなりません。
強い不調や気になる症状があるときは、医療機関へご相談ください。

手作り化粧水の色や濁りを明るい場所で確認する様子

アロマリの考え方

アロマリの考え方もお伝えしておきますね。

手作りのアロマコスメは、精油や植物の素材に実際に触れられる、とてもいい入口です。
だからこそ、「怖いからやめましょう」とは言いたくありません。
でも同時に、「天然だから安心」とも言いません。

どちらも、判断を手放してしまう言い方だと思うんです。

アロマリでは、香りを、自分の状態に目を向けるきっかけとして扱っています。
手作りコスメも同じで、作って使うという行為のなかに「今日の自分の肌はどうかな」「この香りは今しっくりくるかな」と確かめる時間が入ってきます。

そこがいちばんの価値だと思っています。

そして、その時間を続けるためには、安全側に寄せた区切りが必要です。

2週間という目安も、冷蔵という条件も、楽しみを削るためではなく、迷わずに済むようにするためのもの。
正解を押しつけるつもりはありません。
ただ、判断に困ったときに寄りかかる場所として、こうした目安を持っておくと、ずっと楽になります。

関連記事・体験のご案内

実際に作るところまで一緒にやってみたい方には、アロマリのアロマクラフトの時間があります。
容器の選び方や作る量の決め方は、手を動かしながらのほうが早く身につき、一度学べば一生活用ができるコスパも最強。

家族がいる家での使い方や、濃度の判断に迷いがある場合は、ホームケア相談でお話を伺っています。
暮らしの条件に合わせて、一緒に整理していきましょう。

(各サービスの詳しいご案内ページはアロマリ公式サイトをご確認ください。)

まとめ

保存と衛生で知っておきたいことは、そんなに多くありません。

手作りのアロマコスメは、見た目やにおいが変わらないまま中身が変わっていくことがあります。

家庭では中身の状態を測れません。
だからこそ、少量で作る・冷蔵で置く・日付を書く・早めに使い切る、という安全側の区切りが役に立ちます。

分かっていることと分かっていないことを分けておくと、手作りは怖いものではなくなります。

そして、「そもそも自分にはどの香りが合うんだろう」というところで止まっている方も多いと思います。
アロマリでは、気になる香りを実際に試していただけます。
作りはじめる前に、まず香りを確かめてみるのもいいですよ。

自分の好みのブレンドを、多数ある精油から1滴単位でブレンド作りしていただけますので、ご自身のアロマライフにぜひご活用ください^^

参考資料